『乾いた花』(かわいたはな)
篠田正浩監督、池部良主演による1964年公開の日本映画。
ストーリー
刑務所を出たばかりの村木は、賭場で周りにそぐわない若い女、冴子と出会う。
ともにギャンブルに心惹かれる二人は、
ギャンブルのみを接点として心を通わせてゆく。
冴子にせがまれ、連れて行った賭場で見かけた香港帰りという葉、
陽光差し込むホテルのロビーでたまたま見かけた冴子に、
村木は自分の知らない世界を垣間見ることになり、
冴子に対する屈折した愛を強める。
そんなとき、組の抗争から刺客となった村木は、
名曲喫茶の最上階、冴子の目前で殺人を遂行する。
フランシス・フォード・コッポラやマーティン・スコセッシは、
この作品のフィルムを松竹から購入している。
特に、マーチン・スコセッシは、30回は見ているという。
ラストシーンの殺人の場面では、
ヘンリー・パーセル作曲のオペラ『ディドとエネアス』のアリアが流される。
オペラと殺人という組み合わせは、
後に『ゴッドファーザー PART III』で引用されている。
1964年、もうカラー映画は出ている頃ですが、
外ロケがあるからか、白黒です。
下のようなものすごいカメラで撮っていたようです。
レンズが大きいですね。
遠方の鳥がくっきりと撮れそうです。
昔の映画といって侮ってはいけません。
とにかくできることに限りがありますが、
金はあるそんな時代でございます。
構図に無駄がない。
次々と繰り出されるカットがまるで絵画のようです。
並べてみました。
これは構図の勉強になります!!!!
無駄がない!
とまあ、とにかく芸術性の高い映画ですが、
内容はなんともちんぷんかんぷんな、青臭いような、
浅いです。
男女が花札やって惹かれあって、
でも、ヤクやって、殺しやってで
離れてしまうっていう、
実にダメな人間の物語。
感動もありません。
それだけ。
まともな人間が全く出てきません。
それでも見入ってしまえるほどの美しい構図の映画でございます。
私は、マルホランドドライブのデビットリンチ監督が大好きです。
とても似ているように思いました。
どこかで影響を受けていたかもしれません。
いや、そこまでカルトじゃないか。
改めて予告を見直したら全然違ってました。
音楽の使い方が似てただけ!
こんな素晴らしい映画を撮った篠田監督ですが、
年を召されてからは、
とってもつまらない映画ばっかり撮ってます。
写楽とか、もー、なんで!という感じ。