サンマの向きと舞台

ある議員さんのツイッター写真で
焼いたサンマの向きが逆だということで
話題になりました。
これがその写真のようですが、
恥ずかしいことに、
私自身、逆だとは気がつきませんでした。

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言われてみると、
とても威勢のいいサンマに見えます。

正しくはこうです。

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言われると、
はい確かに優しいサンマにみえます。
もう食べていいよといっているように
私には見えます。

調べてみると、
これは食事マナーの基本というものではあるようですが、
その起源ははっきりとはわからないようです。
諸説、いろいろあるようですが、
私は、日本人の多くが右利きであったからではないかと思います。
右利きである場合、
頭が左を向いているほうが
食べやすいように思います。

さて、
私が、食事マナーを知らずして、
右頭は威勢がいい
左頭は受身というふうに思ったのには
別の理由があります。

それは、映画、舞台の基本というものから
でてきた感覚であろうかと思います。

映像の構図の基本というのは、
舞台から来ています。
舞台の基本は、
歌舞伎、能の舞台から来ています。

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映像や舞台をやってらっしゃる方ならご存知かと思いますが、
舞台は、演じている側と、演出側での混乱を防ぐために
舞台を客席から見て左側を「下手(しもて)」、
右側を「上手(かみて)」といいます。
舞台の右、左という言い方はしません。
舞台のどこにいても、客席にいても
「下手」「上手」はかわりません。
これで、役者も技術者も混乱することなく、
舞台を動くことができます。

そして、この「上手」「下手」には
決まりというものが存在します。
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その1:立場の違いを明確に表す。
「上手」は、「上」というくらいですから、
番組や映像において
主となる人が立ちます。
トーク番組やバラエティ番組で
「上手」には誰がいるでしょうか。
これによって番組の主が誰かが明確になります。
司会者が主か。はたまたゲストか。

その2:人物相関図を明確に表す。
物語において、主人公、挑戦者は必ず下手から登場します。
それを迎えうつ悪役は、必ず上手から登場します。
これは、どうしてか。
上手は受けるほうであり、
下手はやってくるほうだという決まりがあるからです。
んな、あほなと思うかもしれませんが、
わかりやすいのが、対戦ゲームです。
自分を選ぶとき、自分はどこにいますか?

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下手ですね。
ですので、映画において告白をする男性は下手、告白を受ける女性は上手になります。
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今は、逆プロポーズというのもありますから、
その場合はその逆になりますね。
要するに、攻めは下手から上手を向く。
受けは、上手から下手を向く。
ということです。
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その3:建物の位置を表す。
これは、2とかぶる部分も多いのですが、
舞台の下手は玄関。
上手は建物の奥になります。
帰ってくる場所なので受けだということです。

これらの決まりは、
70年ごろをピークにだんだんなくなってきたそうです。
ですが、日本人はゲームが好きですね。
ゲームは基本こういう構図ですので、
昔からの安心する構図の基本が
刷り込まれているはずなのです。

3DCGが増え、この基本はどんどんなくなっているようです。
だんだん少なくなっていくとはいえ、
プロである以上、基本としてしっかり覚えておきたいと思います。