映画「怒り」

 

みてまいりました。
悪人のコンビ再来ということで、
期待も大きく、必ず劇場で見ようと思い足を運びました。

感想を書きます。
面白かったという方には
気分を害することを書きますので、
作品への思入れが強い方は
読まないでいただきたいです。

ネタバレも含みます。

悪人がなぜよかったかは、
一つの事件に翻弄されてしまう多くの人物を全てうまく描ききったことにあります。

対してこの作品は、
誰が犯人かわからないというサスペンス要素が強い物語を
3つのシーンに分けて描かれています。
2時間半の作品ですが、
3つに分かれてしまうことにより、
1つのシーンあたりが薄れてしまい、
人物を描くのがうまい監督の良さが全く出てこない結果となっておりました。

短い物語が3つ交互に出てくるため、
シーンの瞬発力が必要とされ、
役者の演技が必要以上に濃くなったり、
音楽や見せ方が過剰になってしまっていました。

どこにも全く感情移入できないのです!!!

思えば、なぜこの監督がやらなければならなかったのか、
それが疑問です。
誰が犯人なのだ?という純粋にサスペンスを楽しむ要素が薄いです。

ゴールデンスランバーとか、破線のマリスとか
ああいうドキドキ感と、見た後の衝撃がないのです。
サスペンスってそうじゃないでしょう。
と思います。
いや、これは、サスペンスじゃないでしょう。
そう言われるのでしたら、
犯人は、早々に明確にすべきでしょう?
もしくは、視点を変えるべきです。

逃げる犯人の映像は、もっとやりようがなかったのか?
どうして、犯人役を森山未來以外の二人でするのか?
それは、詐欺です。
騙すのじゃない。
サスペンスじゃないです。

ほくろ、左利き、パチンコ
ここらの疑惑のポイントの使い方が下手です。

サスペンスじゃないなら、
サスペンスっぽくするな!

私個人的には、
中村義洋監督がやったほうがよかったのではと思います。

以上、ダメダメでした。

とはいえ、撮影など、技術的には素晴らしいものだったので、
繰り返し見て勉強したいと思っております。