金田一耕助 八墓村稲垣吾郎版

https://www.youtube.com/watch?v=GdC5VAWTAfs

八つ墓村の稲垣五郎版をみました。

2004年春の巣スペシャルドラマです。
金田一を稲垣吾郎さんが演じています。

八つ墓村は、横溝正史の長編推理小説で、
映画化3回、テレビドラマが6回と、横溝作品としては一番映像になっている
ヒット作ですね。

特に、1977年版の映画は、お金のかけ方が半端なく、

(当時のお金で7億!!!!!!)
また演出も乗りに乗っている感じをうけます。
https://www.youtube.com/watch?v=gwqn_MgDgVA

 

ただ、金田一を演じているのが、
渥美清さん、
そのイメージがちょっと違うという声もあります。

その時期に作られた金田一シリーズは、
金田一を石坂浩二さんが演じられており、


そのギャップかなと思いますが、
そのシリーズは東宝が作っていたもので、
この八つ墓村は、松竹が作ったということで、
渥美清さんが演じることになったのでしょう。

監督は野村芳太郎、脚本の橋本忍、撮影は川又昂、音楽に芥川也寸志、
これは「砂の器」制作陣。
配収19億8,600万円という松竹映画の歴代に残る大ヒット作となりました。

 

東宝チームの金田一とは雰囲気が全く違っており、
サスペンス映画というよりも
壮大な歴史オカルトドラマという、そんな言葉はありませんが。。。
壮大な物語になっておりまして、

鍾乳洞を駆け巡るシーンが、
砂の器で言う、親子の全国めぐり×宿命演奏のシーンを
思わせるすばらしい演出です。
また、冒頭の空港のシーンがなんともいえない、
ああ、映画を見ているのだな!という雰囲気で
一気に吸いこまれていくのです。

で、この稲垣版ですが、
撮影も色もドラマっぽさがなく、
とても良いのですが、
原作に忠実に作られている分、
謎解きの確認ストーリーのようになってしまいまして、
ちょっと残念でした。

人気小説を映画化すると、
思っていたのと違ってがっかりというのがあります。
あれは、忠実かどうかではなく、
小説を読んで頭に描いた物語の背景をいかに描くかにあると思うのです。

砂の器の全国歩くシーンや、八つ墓村の鍾乳洞のシーンがそういうことだと
私は思います。