4K トンビの雛が巣から落ちた 九頭竜川

トンビの雛もすっかり大きくなり、
見た目では兄弟の区別がつきません。
また、長男はもう自由に飛べるようになったのか、
巣にいることが少なくなりました。
この日も、途中からどこかからか飛んでやってきました。

ちなみに「兄弟」とこれまで書いてきていますが、
実はオスメスの区別はついていませんので正確ではありません。

性別はさておき、兄弟を見分ける方法は鳴き声です。
末っ子は相変わらず可愛らしい高い声で親鳥を呼びつけます。
長男、次男は鳴き声がやや大人びてきています。
長男は「威嚇」らしき鳴き方ができるようになりました。
トンビの「威嚇/警戒」時の鳴き方は
「ピーッピッピッ!ピーッピッピッ!」です。
通常は「ピーヒョロロロ」ですが、
縄張り内に外敵(私)がいるのを発見した場合はこの鳴き方になります。
「ピーッピッピッ!x2」以外にも、
「ピーーーー!!!!ピピーー!!!!」と言った感じの、
もっと緊迫感のある鳴き方をする場合もあります。
縄張り内に外敵(私)がいるのに片割れの親が巣に餌を運ぼうとすると
「だーかーらー!!だーめだって!!」と言っているかのように聞こえます。

ところで、そんな「威嚇」の鳴き方を覚えた長男がこれをいつ使うかと言うと、
親鳥が運んできた餌を独り占めしたいときの兄弟喧嘩の時です。
餌を横取りしようとする他の兄弟に対して威圧的に叫ぶのです。
この日は初めて兄弟喧嘩をしている様子を目撃しました。
喧嘩というか一方的に巣の主導権を主張しているようにも見えますが。
しかし、長男はこの後とんでもない事をしてしまいます。
なんと喧嘩の勢い余ってか、次男が落巣してしまいました。
残念ながら落巣の瞬間を撮り逃してしまったのですが、
ガササー!!!と音がして1羽いなくなったのですぐにわかりました。
付近に親鳥もいないようだったので慌てて木の根元が見える場所まで行くと、
地面でキョロキョロする雛を発見しました。

私はどう対処していいか悩みました。
巣へ運べる手段があるわけでもなく、
そもそも雛に近づきすぎている様子を親鳥に見られたら
確実に襲われます。
かと言って遠くからスーパーで買ってきた魚を与えるわけにもいきません…
と、一人で悩んでいると、雛がヨチヨチと木を登り始めます。
羽ばたいて勢いをつけながら少しずつ登っていました。
それでも巣までは随分遠い道のりです。
果たして、無事巣に戻ることはできるのでしょうか。
こちらの心配など気にもせず、
初めてみるスズメバチに目を輝かせていました。

ちなみに落とした本人は私が巣に近づいた途端、
別の木に飛んで逃げて行きました。
そんな長男もいつかは雛を守るたくましい親鳥になるのでしょう。