少し風の強い晴れの日。
トンビの家族は巣立ってしまいました。
いつもなら親鳥の声で賑わう場所がやけに静かです。
前夜はそんなに風は強くなかったのに、
巣周辺の枝に、巣の材料だったエアクッションやビニールが散乱しています。
何か様子がおかしい…それだけはわかりました。
よく見ると巣の近くに末っ子と思われる雛が1羽。
枝から枝へ盛んに飛び回っています。
いつも通り、飛ぶ練習をしているようです。
ところが、この日はいつまでたっても親鳥が餌を運んできません。
空を見上げると、4羽のトンビが空高く優雅に舞っていました。
末っ子がその様子を見上げています。
私はすぐに気づきました。
今日が最後なんだと。
羽が生えそろっていないように見えるのが兄弟でしょうか。
空の上でぐるぐると同じ場所を舞っていました。
末っ子もおぼつかない動きで空へ羽ばたきます。
しばらくすると、
いつもは親鳥が外敵を監視する為にとまっている木に
雛と思われるトンビがとまりました。
蒸し暑いのか疲れたのか、半目で疲れた表情です。
いつもなら定期的に巣へ戻ってきていたのですが、
なぜか巣には戻りません。
この日はこれを最後にトンビの親子は巣へ戻って来ませんでした。
収録を始めてだいたい2ヶ月。
手のひらに乗りそうなくらい小さかった雛が手の届かない大空へ旅立ちました。
長らくご視聴いただいたトンビの成長過程はこれにて一旦終了です。
ご覧いただき、ありがとうございました。
今後も九頭竜川河川敷の生態にせまりたいと思います。
何卒、チャンネル登録していただければ幸いです。
今後とも、よろしくお願い申し上げます。