4K 九頭竜川 トンビの子育てと雛の糞の仕方

 

 

 

皆さんは車の上に鳥の糞が散乱していて困った経験ありますよね。
なぜか自分の車にだけ付いていて「おいおい…」と思ったり、
「今日はウンが付いている」などと言い聞かせたり…。

鳥は飛んでいる時に糞をすることができる器用な生き物です。
しかし、まだ飛べない雛はどのように糞をするのでしょう。
考えたこともなかったのですが、
鳶の巣を観察していてそんな疑問にすら思わなかった事実を垣間見ることになりました。

その瞬間は突然おとずれました。
雛が巣の隅に後ろ向きに歩き出します。
初めは何をするのか予想だにしませんでした。
見ていると何やらお尻を突き出し始めます。
あまりにも不可解だったので、思わずカメラをまわしました。
そして次の瞬間、勢いよく白い液体を噴射したのです。

「……!!???」

それは紛れもない、雛が糞をする瞬間でした。
私はしばらく絶句していました。

飛べない間でも生きている以上、糞をする必要があるのは当然です。
親鳥に教わるのか、本能的にそうするのかわかりませんが、
巣の中にするのではなく、巣の外に飛ばしています。
なぜ「飛ばす」のかもわかりませんが、ただ「落とす」だけでは
巣の位置が外敵に知られてしまうのを回避しているのでしょうか。
不思議なものです。

親鳥はこの日もせっせと雛鳥に小魚を捧げています。
度々カラスに獲物を奪われそうになっている光景を目にします。
盗られている瞬間までは見たことがないのですが、
巣に持ち帰る直前を待ち伏せして取り上げようとしています。

カラスは体の構造上、機動性が高いみたいで、
小回りの聞きにくい鳶は空中戦には向いていないとか…。
鋭い爪で八つ裂きにしようにも、子育てを優先しているのか、
反撃する様子がなく防戦一方という状態が続いています。
時には釣り人でも喜びそうな程の大きな魚を掴んで戻ってきているので、
反撃しようにも手が塞がっているということもあるのでしょう。

そんな耐え凌ぐ甲斐もあって、
雛は日に日に大きくなってきています。
まだまだヨチヨチ歩きですが、
いずれ立派な親鳥になって大空を飛び回るのでしょう。
今後の成長が楽しみです。