ジュヒョプ(マ・ドンソク)は不倫を犯した妻を殺害して、
身分を隠したまま田舎町に隠れて過ごす。
彼の息子ヨンホ(アン・ドギュ)は学校で仲間外れにされるが、
その理由は父親のジュヒョプが犬飼いであるためだ。
ある日、ジス(キム・ヒョンス)という女の子がソウルから転校して来て、
ヨンホは友達とあまり付き合わないジスに興味を持つ。
母親(キム・へナ)と二人で田舎に来たジスは、
浮気者の父親に傷付けられた子どもだった。
ヨンホとジスはお互いの傷に共感したかのように少しずつ近付いていく。
というあらすじです。
あおり文句に
「連続殺人犯」「隠された過去」
というものもあったと思います。
韓国で実際に起こった
連続殺人犯カン・ホスン事件をモチーフにして
公開前から話題になった映画
ということで、
韓国映画っぽいですね。
殺人の追憶等、実際の事件をモチーフにした傑作はたくさんありますので。
パッケージもいい感じだし、
すぐに手にとってレンタルしたのですが・・・。
(これ以降の感想は、ネタバレ以上を含みますので)
韓国映画だしといろいろ期待してみたのがよくなかったのでしょうか。
主人公の父が不倫した妻を殺したのか描写が足りない。
妻を殺した後、どうして連続殺人犯になったのか描写が足りない。
主人公が、どうして自分も父のように殺人に興奮を覚えるのではないかと恐怖にかられる理由の描写が足りない。
ラストが物足りない。
という理由でうーんつまらない映画だなと思いました。
邦画で言うところの、
70年代の内容の濃い映画がいっぱいだったころを過ぎて
少し手抜きをはじめたのか、ふわふわし始めたころの日本映画に似ているというか。
確かに韓国映画は描写が足りない感じではあり、
それがよりいっそう想像を掻き立ててよいところもあるのですが、
これは、そういう足りなさを演出しているというより、
内容がつめられていないという印象を受けました。
これ、妻を殺したのは幼いころの主人公であってほしかったですね。
息子の罪をごまかすための父の連続殺人だとか、
そして父は全ての事実を飲み込んで死亡。
主人公は自分の罪を認識しないまま逃亡する。
意識のない犯罪は、いつかまた罪を重ねるという予感を残して。
というストーリーだと私としては納得できたかと思います。